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笑顔を見せて

飼い主のいないわんこたちの幸せ探しを手伝います。

 

クウに会いたい…「闘病」

 
『自己免疫性溶血性貧血』
http://www.eepet.com/dog/archives/byoumei/144.html

血液を増やす手段として、普通は輸血が考えられますが、
自分の血液でさえ、敵と勘違いして攻撃する病気なので、
他の血液が体内に入ると、余計に攻撃するスピードが速まるため、
この病気には輸血は行わないのが一般的です。

そのため、クウも免疫抑制剤や血液増殖剤などの薬を点滴と投薬で受けていました。
薬の効果が出てくると、下降線を描いていた血液の値が上昇に転じます。
毎朝、この血液検査の結果を聞く瞬間、体が凍るような思いでした。

入院してから2~3日は検査結果は横這い。
私にしてみたら下がるよりはいいと思いたかったのですが、
強い薬を使って横這いということは、血液を壊す状態は改善されていないということでした。


食欲もどんどん落ちて行きました。

入院してすぐは、珍しさもあったのか、
家では与えることのなかった缶詰のフードを美味しそうに食べたということでしたが、
それも2日ほどで食べなくなり、点滴による栄養補給になりました。

立ち上がるのもしんどそうでしたが、
「クウ、お散歩に行く?」と聞くと、とても嬉しそうな様子なので、
クウを抱いて出て、病院の庭で10分ほど過ごすのが日課になりました。

ウンチにも血が混じり、真っ黒でしたが、たまにいい色のウンチをすることもあり、
それを見ただけで、状態が少し上向いたんじゃないかと期待しました。



でも、だんだん、外へ出る元気もなくなっていってしまいました。
血液検査の結果も横這いから下降線を辿って行きました。

ちょうどその頃、やっとかかりつけの病院も開いたので、
さっそく先生に電話して症状を説明しました。

その先生も状態はけっして良くなく、とても厳しい状況にあるとおっしゃいました。
同時に同じような症状でも助かった子もいると話をして下さいました。

その先生の治療は「積極的に輸血をする」というものでした。

「まずは命を永らえさせることが大切。輸血をすることで一時的に症状は改善される。
当然攻撃を始めるので、すぐに数値は下がってくるが、
その間にありとあらゆる薬を使って対抗する。
危ない状況になってきたら、また輸血をする。
それを繰り返して薬の効果が表れるのを待ちます。」


クウが受けている治療法とはまるっきり逆の方法です。
今受けている治療も決して間違ってはいないことはNETで調べてわかっていました。
どうしたらいいのかずいぶん悩みました。



悩んでいる間にも数値は下がり続け、クウは弱り続けて行きました。
主人とも相談し、このままではクウの命はあと数日。
それなら輸血してもらって最後の可能性に掛けようということになりました。

そして、2007年1月10日、入院していた先の先生に事情を説明し、
クウを車に乗せて、かかりつけの病院へ急ぎました。



病院へ向かう途中、クウは苦しそうに何度か「クーン!」と言いました。
その病院への道はいつも混んでいて、その日も渋滞でした。

「クウちゃん、もうすぐやからね。もうすぐ楽になるからね、がんばるんやよ。」
私にはそう声をかけてやることしかできませんでした。



病院へ着いて、
もう起き上がることもできなくなっていたクウを毛布にくるんで処置室に運びました。
先生はすぐに血液型を調べて下さいました。

先生は大型犬を飼われていて、その子とうまく血液型が合えば、
その子の血液を採取してすぐに輸血を行えるが、合わなければ、
取り寄せないといけないので早くても夕方になるということでした。

血液検査の結果が出るまで、待合室で待とうかと思いましたが、
他に待っている飼い主さんたちの、
毛布に包まれた、明らかに弱っているクウを見る好奇と詮索の目にいたたまれず、
車の中で待つことにしました。



血液検査の結果が出るのを待つ間ほど、
時間が経つのが遅く感じられたことはありませんでした。

真冬でしたが、その日はお天気がすごく良くて、
車の中にもお日様のぽかぽかした日差しが差し込んでいました。

とても暖かく感じましたが、血液が極端に少なく貧血状態のクウはどうだったのか。


クウちゃん、

暑かったの?

寒かったの?

喉は渇いてなかった?

温めてやったら良かったの?

さすってやったら良かったの?

もっと話しかけてやったら良かったの?



あの時、クウはどうしてほしかったのか。
私はどうしてやればよかったのか。
クウはただただ、不安そうな目で私をずっと見つめていました。



気が遠くなるほどの時間が経ったと思った頃、受付の女性が呼びに来てくれました。
再びクウを抱いて、処置室へ急ぎました。

幸い先生のワンちゃんと血液型が合ったので、すぐに輸血ができるとのことでした。
先生も看護師さんたちもテキパキと準備を進めて下さり、
今から輸血の針を刺そうかという時、
それまでじっとうずくまっていたクウが急に大きくのけ反りました。

先生が「心臓発作や!」と叫んでクウを抱いて、手術室に駆け込んでいかれました。
周りは慌ただしくなり、バタバタしていました。

私は何が起こったのかわからず、ただボー然とその場に立ち尽くしていました。

一人の看護師さんが出てきて、クウが心停止状態にあること、
先生が今必死で蘇生を試みていることを説明してくれました。

私はそのまま処置室で待つように言われました。

手術室は直接見ることはできませんでしたが、ドアのガラスに反射して、
中の様子が写っていました。
時々器具を取りに出てくる看護師さんの中には泣いている人もいました。



それからどれくらいの時間が経ったのでしょうか。

先生が疲れ切った顔で出てこられて、
「できるだけのことはやりましたが、ダメでした。残念です。
どうぞクウちゃんの顔を見てあげて下さい。」とおっしゃいました。



手術台で横たわるクウ。

とても穏やかできれいな顔でした。

私も取り乱すことはありませんでした。

「クウちゃん、がんばったね。これでもうしんどくないよ。やっと楽になれたね」
そう声をかけて、そっと抱きしめました。

あの子の身体はまだとても柔らかく暖かかったです。




先生と看護師さんたちにお礼を言い、
来た時と同じようにクウを毛布にくるんで車に乗せました。

来た時と何も変わっていませんでした。

ただ、クウはもう「クーン!」とは言わず、息をしていない。
そのことだけが違っていました。

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